海域に流入したサルモネラが,どのような挙動を示すか,その動態を追究する目的で自然海水および無菌海水中でのモデル実験を行なった。
1: 自然海水中では接種したサルモネラは10℃>20℃>30℃の順に生残性を示した。
2: 無菌海水中ではサルモネラの生残性は自然海水中におけるよりも低く,しかもはっきりとした温度依存性を示さなかった。
3: 少量(<10/mlのサルモネラを接種した場合には,菌接種後,一度菌数が減少し,その後次第に増加した。
4: その場合,20℃および30℃に保持するとS.thompson単独例よりもE.coliとの混合例の方がS.thompsonの増殖する割合は低かった。
5: 海水中でのサルモネラの生残性は水温にかなり影響されることが示唆された。