広島大学水畜産学部紀要 14巻 2号
1975-12-25 発行

広島県下二河川の水・底質および生物中におけるPCBの分布

Measurements of Polychlorinated Biphenyl (PCB) in Water, Sediments, and Organisms of two Rivers in Hiroshima Prefecture
中川 平介
鹿山 光
有吉 英治
本文ファイル
抄録
1973年10月の芦田川の3地点について,水,底質,水棲生物(カワニナ,タニシ,ボラ,フナ)のPCB含有量を測定した。又,1974年1月の広西大川(黒瀬川)の3地点については水,底質のPCB含有量を測定して以下の結果を得た。
1) 二つの河川のいずれの地点より採取した水においてもPCBは検出されなかった。
2) 芦田川産の貝類のPCB濃度はカワニナで0.01mg/kg, タニシで0.08mg/kgであった。魚ではフナの場合肉および消化管共0.07mg/kgであったがボラの肝臓で0.24mg/kg, 肉で0.11mg/kgであり,従来,他地区産のものについて報告された値よりかなり低い値を示した。
3) 底質のPCB測定の際,底質を篩別し,それぞれの粒度の底質に含まれるPCB濃度を測定したところ,粒度1mm以下の底質にPCBが集中的に存在することを認めた。また,従来の測定方法では粒度の小さい底質の多い場所程,PCB濃度が高い値を示す傾向がある。故に,底質のPCB測定および比較には粒度組成も考慮する必要があると考える。