広島大学水畜産学部紀要 13巻 1号
1974-07-31 発行

Studies on Rainbow Trout Egg (Salmo gairdnerii irideus) : V. Further Studies on the Yolk Protein during Embryogenesis

虹鱒卵の生化学的研究 : V. 胚発生過程における卵黄蛋白質の変化
Nakagawa, Heisuke
Tsuchiya, Yasuhiko
本文ファイル
抄録
未成熟卵,未受精卵,29日目および42日目の卵黄蛋白質の性状を分析し,以下の結果を得た.

1. 卵黄蛋白質は胚発生が進むに従って物理的,化学的性状が変化する.特に受精後42日目に分子量の大きいリポ蛋白質の生ずることを認めた.これはリポ蛋白質が部分的に分解された後再構成される為と考える.

2. 虹鱒卵のリポ蛋白質のアミノ酸組成はアラニン含量が高く,セリン,シスチン,トリプトファンが低いことを除けば大体リポビテリンと似た組成を示した.

3. 受精後42日目のリポ蛋白質のアミノ酸のうちいくつかのものの比率が減少することを認めた.これは特異なアミノ酸が選択的に胚発生に利用されていると考える.

4. 卵黄の糖蛋白質のアミノ酸組成は未受精卵と受精後42日目のものでは殆ど変化は認められなかった.