豚の外ロース(M.longissimus dorsi)を用い市販のウインナソーセージに準じAF-2添加ソーセージを調製した. AF-2の添加は原料肉を塩せきしたのち調味,練出しのおわりに肉のpHを6.0に調整して添加した.このソーセージを10℃で4週間保存し保存中のAF-2の挙動と作用効果について調査した.得られた結果の要点はつぎのとおりである.
1. ソーセージ保存中におけるAF-2の変化
製造直後においては最初の添加量の46.76%,保存1週間後にかなり失活し27.20%,その後保存中に漸減し4週間後20.20%のAF-2有効残量を認めた.
2. AF-2添加がソーセージ保存中における製品中のVBN,TBA value およびMicrofloraにおよぼす影響
ソーセージ保存中におけるAF-2の作用効果を明らかにするため,VBN,TBA value およびMicrofloraについて調査した結果,AF-2添加のものは無添加のものに比較し各実験項目とも低値を示しAF-2の作用効果が認められた.すなわち
(1) 揮発性塩基窒素(VBN; Volatile Basic Nitrogen)
ソーセージ製造直後においてAF-2無添加区17.76,AF-2区17.24mg%と近似した値いを示したが,保存中においてAF-2区は顕著な変動が認められないで4週間保存後16.50を示したが無添加区は19.09mg%と保存中漸増した.
(2) TBA value
ソーセージ製造直後において防腐剤無添加区0.121,AF-2区0.113を示したが4週間保存後に無添加区0.137と漸増しAF-2区0.122を示し両区の間に0.015の差を生じ作用効果が認められた.
(3) Microflora
ソーセージ保存中におけるMicrofloraの状態を好気性菌,嫌気性菌に大別しAF-2の作用効果を調査した結果,製造直後においては好気性菌が嫌気性菌よりも優勢を示したがAF-2は両菌種に対し抗菌作用を示し作用効果が認められた.その作用効果のあらわれ方はVBN,TBA valueの場合と同様な傾向を示した.