広島大学水畜産学部紀要 10巻 2号
1971-12-25 発行

地方都市における河水,下水のサルモネラ汚染について

Salmonella Contamination of Rivers and Sewages in Fukuyama City
橋本 秀夫
平田 泰治
原田 慧
清水 健
本文ファイル
抄録
地方都市におけるサルモネラによる環境汚染の実態を知る目的で,昭和41・42年に広島県東部地区福山市における河水,下水などを対象としてサルモネラの検索を行なった.その結果,以下のような成績が得られた.
1. サルモネラ陽性率は河水が23.6% (13/55),下水が22.2% (8/36),と場汚水が36.8% (7/19)の成績であった.
2. これらの陽性率は,東京,大阪など大都市における河川および下水のサルモネラ陽性率に比べると,まだ低い状況にある.
3. 28例の陽性検体から分離された33株の血清型は,S. derby,S. typhimurium,S. montevideo,S. thompson,S. mikawashima,S. narashino,S. enteritidis,S. meleagridis,S. give,S. senftenberg,S. westerstedeの11種類に分類された.
4. S. westerstedなど,広島県で今までにみられたことが無い新しい菌型が多数検出されたことから,当地方におけるサルモネラによる環境汚染の進みつつあることが推定できる.
5. このようなサルモネラによる環境汚染の実態から,今後の食品衛生上に及ぼす影響などについて指摘した.