広島大学水畜産学部紀要 10巻 1号
1971-07-20 発行

Studies on Rainbow Trout Egg (Salmo gairdnerii irideus) : III. Determination of Lipid Composition of Oil Globule and Lipoprotein

虹鱒卵の生化学的研究 : III. 油球及びリポ蛋白質の脂質組成について
Nakagawa, Heisuke
Tsuchiya, Yasuhiko
本文ファイル
抄録
1. 卵黄を遠心分離して油球,低比重画分及び高比重画分(卵黄球)にわけ,それぞれの脂質の分析を行なった.

2. 油球は主にトリグリセライドから成り,他にコレステロール,そのエステル及び遊離の脂肪酸を認めた.リン脂質を全く含まないがカロチノイドに富む.

3. 低比重画分はエーテル処理により,エーテル可溶部と塩溶液可溶部を生じ,前者はトリグリセライド,遊離脂肪酸,コレステロール,そのエステル,リン脂質及びわずかながらカロチノイドを含む.後者は電気泳動によりリポ蛋白質のほか二成分の蛋白質より構成されていることを認めた.

4. 高比重画分の脂質,即ち第1報で報告したリポ蛋白質の脂質は約50%がリン脂質で,他にトリグリセライド,遊離脂肪酸,コレステロール及びそのエステルを含む.リン脂質はレシチン,セファリン,スフィンゴミエリン,リゾレシチンで構成される.

5. それぞれの画分の脂肪酸分析の結果,各画分で脂肪酸組成に相違のあることを認めた.