本研究では,小学校教員養成課程の大学生が,各教科の授業に学問史を取り入れることの有効性をどのように認識しているのか(有効性認知)を検討した。アンケート調査の結果から,1)有効性認知は,国語,音楽,理科,算数の順に高く,理系科目において学問史の有効性認知が低いこと,2)理科においてのみ学年間での差が見られること,3)大学生は大学生活を通して理科において知識を重視する価値観をより強固なものにしていること等が明らかになった。また,回帰分析の結果から,各教科の授業において学問史を取り入れることの有効性認知を高めるための方法が示唆された。