本研究は小学校の英語授業において,児童に向けて英語で語りかける際に,児童が英語を理解することができるように指導者が講じる支援(Teacher Talkの工夫)について,実際の授業映像の分析を通して学生がどの程度気づくことができるのか,またTeacher Talkについての明示的な指導を受けた後には,気づきに変容が見られるのかを検討した。その結果,学生は指導を受ける前の段階では,目に見えるジェスチャーや母語の使用以外の工夫にはほぼ気づくことができず,Teacher Talkについての指導が必要であることが示唆された。Teacher Talkについて学んだ後には,これまで気づくことができなかった「言いかえ」や「声の使い方」等への気づきが生まれ,ほぼ全員に「気づくことができるカテゴリーの増加」という点において成長が見られた。