初等教育カリキュラム研究 3号
2015-03-31 発行

歌唱における学習過程の再考 : ブータン歌謡ツァンモの調査をてがかりに <論文>

Reconsideration of the Learning Process in Singing : In Reference to the Field Survey of Tsuangmo Singing in Bhutan <Research Article>
権藤 敦子 大学院教育学研究科 広大研究者総覧
伊野 義博
黒田 清子
Wangchuk, Pema
本文ファイル
抄録
音楽科において人が生涯にわたり音楽文化とかかわっていく土台を築くためには,楽譜の理解や表現技能,「音楽に対する思いや意図」を重視する学習過程では不十分である。そこで,楽譜を介さなくても,なじみのある詩形や既存の旋律を活用しながら「相手に伝えたい思いや気持ち」を自在に歌い出せる歌のメカニズムの重要性を再考する。ブータン歌謡ツァンモの調査では,①人々に共有されている歌詞の詩文が存在し,その詩文をうまく活用して人は自分の思いを歌うことができる,②いくつかのフシの類型があり,使いやすいフシにツァンモの歌詞を即興的にのせることができる,③演奏者と鑑賞者が分かれたり,作詞・作曲,記譜・記録したりせず,相手を意識して,その場で歌い掛け,応答,リレーができる,④家庭では,物語と同じようにその土地の言葉で歌い継がれると同時に,学校では,ゾンカ語学習と関連してツァンモの掛け合いが行われていることが認められた。
内容記述
本研究は,JSPS科研費22530981,26301043の助成を受けたものである。
キーワード
ツァンモ
学習過程
音楽科
権利情報
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