初等教育カリキュラム研究 2号
2014-03-31 発行

研究授業を担当する若手教師が直面する困難とその克服過程に関する活動理論的考察 <論文>

加登本 仁
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抄録
研究授業は,教師の授業力量形成の重要な契機であるにもかかわらず,近年その意義が十分に果たせていないことが指摘されている。本研究では,教職5年目の若手教師が小学校体育科の研究授業を担当した際に,どのような困難に直面し,それをどのように克服していったのかについて,授業者へのインタビューから得られた情報を,エンゲストロームの「活動システム」モデルを用いて解釈した。水泳の研究授業を担当したX教諭は当初,指導計画を立案する際に,「研究授業の慣例」や「学校行事からの要請」に支配され,「伝統的な指導法」を用いた授業を計画した。しかし泳力の伸び悩む児童を前に葛藤を抱えることとなる。その後,X教諭は,「研究者との協働」により,多様な指導法に関する知識の学習や児童のつまずきの科学的分析を通して,目標を問い直し,「脱力し呼吸を確保しながら続けて長く泳ぐこと」を意図とした授業へと指導計画を再構成していった。
キーワード
若手教師
研究授業
研究者と実践者の協働
活動システム
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