中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 33巻
1993-03-10 発行

<個人研究論文>生活の中の酵素を題材とした生物授業の実践研究

白神 聖也
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内容記述
現在の理科の授業は,ともすれば学習が教科書の中や教室の中で終わってしまい,生徒の生活と遊離しがちである。それが,多くの理科嫌いを生みだす原因の一つと考えられる。また,急速な科学の進歩の成果が社会や生活に入り込んできても,生徒がそれに対応できないことは大きな問題である。これらの問題点に対応するために,「生活の中の酵素」を題材として高校生物の授業を構成してみた。生徒が予備調査で生活の中から見つけてきた酵素入り商品は,15種類55商品にものぼった。何の酵素が何の目的で入っているかを考えさせながら授業を行った。授業の最後に,洗剤の酵素の洗濯の際の有効性を,既知の知識も利用しながら科学的に考えさせ,生徒の物事に対しての判断力と意思決定能力の育成を図った。事後調査では,おもしろかった,興味が持てたという回答が多く,優れた判断力・批判力に基づいた回答も数多く見受けられた。今回のような授業は,生徒を楽しく学習に参加させ,諸能力を育成し,学習の動機づけをさせる効果があることがわかった。
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