本研究は,体育科のボール運動の実践において,これまでの課題を改善し,論点整理に示された「主体的・対話的で深い学び」が実現されるように,子どもたちが「よい動き」を合意形成し,その動きを活用しながら主体的に学んでいくことができる学習指導の在り方を明らかにしていくことをねらいとする。そのために,「アルティメット」「ハンドボール」という二つのゴール型ゲームの実践を通して,教師の設定した三つの手立てが有効であったかを考察した。「空間的視点」を課題解決のために必要な知識として設定し,単元を進めていったことで,子どもたちは自ら意思決定した動きについて分析し,仲間と吟味するようになっていった。今後は,より自己の動きに対する実感が持てるような教材開発に取り組み,深い教材理解と研究を積み重ねていく必要性を感じた。