本研究の目的は,統計にかかわる学習において,資質・能力を育成するための学習内容や学習活動における方策について明らかにすることである。本研究は,文献解釈的方法による理論的研究のもと,授業観察や事例分析などの実践的検討を取り入れて進めた。研究の結果,子どもが身近な生活の問いから必要感をもってデータの収集や分析を行ったり,数値やグラフを根拠に伝えたいことを表現したりする学習を取り入れると,子どもは主体的に学び,3つの資質・能力をおおむね育成することが分かった。特に,実際の統計場面と学習をつなぐ場を意図的に設定したことは,キャリアプランニング能力の育成に有効であると考える。