本研究の目的は,読むことを楽しみ,物語の意味を見出すことのできる単元を開発することである。そこで,第3学年において「わにのおじいさんのたから物」を題材として「作品との出会いを大切にする」「他者の読みを生かす」「読み取ったことをもとに続き物語を創作する」の3点を手立てとした単元を構成し,実践を試みた。実践を通して,これらの手立ては,子どもたちの興味・関心を引き出し,他者とともに学ぶことのよさを実感させることに有効であることがわかった。さらに,子どもたちがつくった続き物語には,一人ひとりのたから物についてのとらえが反映されており,たから物についての考えをさまざまに深めるとともに,子ども自身が納得する形の結末にして,物語を意味付けようとしていることがうかがえた。今後も,読むことを楽しみ物語の意味を見出すことにつながる授業をつくっていきたい。