広島大学総合博物館研究報告 3号
2011-12-25 発行

広島市絵下山公園におけるギフチョウの保全と飛翔行動の変化 : 巨大建造物出現に対する行動パターン <原著論文>

Conservation and changes of flight behavior in Luehdorfia japonica (Papilionidae, Lepidoptera) at the Ege-san Municipal Park in Hiroshima City : Significance of a huge TV-tower <Article>
亀山 剛
渡辺 一雄
本文ファイル
抄録
絵下山公園は原爆爆心地から12.4kmにある広島市営公園でギフチョウの生息地である。この山頂部に2006年デジタルテレビ放送所の鉄塔および局舎が完成した。ギフチョウの行動研究と並行して,工事の影響を極力抑える努力を試み『ギフチョウの住む自然豊かな都市近郊型公園』の創成を目指している。本稿ではギフチョウの生息条件について総論を試み,保全の具体策と工事前後の飛翔,産卵状況の変化,今後の課題を述べる。ギフチョウは一時的に減少したが最近2,3年,回復しつつある。今後,適切な生息環境と景観の整備により里山のシンボル,ギフチョウの生息環境を保持した都市近郊型公園を目指したい。減少の原因は気候の異常変動と巨大鉄塔出現による飛翔・産卵行動の変化が考えられた。行動の変化を『飛翔パターン全体を認識・記憶する生理メカニズム』の存在とそのトータルな変更ととらえ,適応行動の遺伝という観点から仮説を立てて論じた。
キーワード
ギフチョウ
サンヨウアオイ
人為依存型生息域
移植
環境保全
Asarum hexalobum
Environmental conservation
Food plant transplantation
Human-dependent habitat
Luehdorfia japonica
SelfDOI
権利情報
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