広島大学総合博物館研究報告 12号
2020-12-25 発行

瀬戸内海におけるムシロガイ科腹足類3種に共生するヒドロ虫類の生態学的研究

Ecological study of three hydrozoan species associated with three different nassariid gastropod species in the Seto Inland Sea
近藤 裕介 大学院統合生命科学研究科 広大研究者総覧
米谷 まり
並河 洋
大塚 攻 大学院統合生命科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター 広大研究者総覧
本文ファイル
抄録
広島県竹原市近海において潮間帯に生息する腹足類アラムシロにエボシクラゲ属の1種,潮下帯に生息する腹足類ムシロガイ,キヌボラにそれぞれタマクラゲ,ミサキアミネウミヒドラのポリプが共生し,これらの調査期間中の共生率はそれぞれ9.1%,93.8%,83.8%であることが明らかとなった。これらの組合せには例外がみられず,宿主特異性は高かった。エボシクラゲ属の1 種の生殖体は6,9月,タマクラゲは8月のみ出現していたが,ミサキアミネウミヒドラは4–7,9,11,12月と頻繁に出現していた。また,ムシロガイ,キヌボラに比べて,アラムシロが底質中に潜行している時間は長い傾向が認められた。3種のポリプのうち,エボシクラゲ属の1種のみ厚い囲皮を備えるが,この形態は宿主が潮間帯に生息するため,干出による乾燥への適応であるかもしれない。また,このことが本種の共生率が低い原因の一つとして考えられる。
キーワード
囲皮
宿主特異性
生殖体
潜砂行動
プラヌラ
ポリプ
Burial behavior
Gonophore
Host specificity
Periderm
Planula
Polyp
権利情報
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