広島大学総合博物館研究報告 12号
2020-12-25 発行

小河川におけるカワニナ個体群の時空間的変動 : カワニナトラップによる調査

Temporal and spatial fluctuations of populations of the freshwater snail Kawanina (Semisulcospira libertina) in streams: A survey using the “Kawanina trap”
小田 夏海
中坪 孝之 大学院統合生命科学研究科 広大研究者総覧
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抄録
カワニナを個体サイズや底質に関わらず採取できるトラップを作成し,それを用いて広島県東広島市を流れる二つの小河川を対象に,カワニナ個体群の時空間的変動に及ぼす環境要因について検討を行った。半自然河川の角脇川にトラップを仕掛け,5月~ 11月の経時変化を調べたところ,採取された個体数は期間を通じ地点により大きく異なっていた。この差は,水温や流速,BOD,pH では説明できず,河床材料との関係も明瞭ではなかったが,礫質の地点では個体数変動が少なく,殻径3mm未満の稚貝が多く捕獲された。コンクリート三面護岸化された半尾川では,角脇川に比べ非常に少数のカワニナしか捕獲されず,稚貝も1匹しか捕獲されなかったため,ほとんど繁殖が行われていないと考えられた。カワニナの生息に適した環境を評価するためには,個体サイズを考慮した調査を行うことが重要であり,本調査で用いたようなトラップは有効な手段となりうると思われる。
キーワード
カワニナ
トラップ
環境要因
小河川
繁殖
Semisulcospira libertine
trap
environmental factors
stream
reproduction
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