広島大学総合博物館研究報告 11号
2019-12-25 発行

東広島市西条盆地南部の放棄用水路のマッピングとその意義

Mapping of an abandoned irrigation channel in the southern part of Saijo Basin, Higashi-Hiroshima city, Southwest Japan, and its significance
熊原 康博 大学院教育学研究科 広大研究者総覧
岩佐 佳哉
横川 知司
本文ファイル
抄録
東広島市西条盆地南部に位置する柏原(かしょうばら)地区は,段丘面上に広がる近世後期の新田開発地である。柏原地区の農業用水を確保するために中の峠(たお)池(現深道池)が造築されたが,池の集水域が狭く慢性的に水不足であった。そのため,池の集水域と異なる小田山川の集水域内の山麓に用水路を築き,中の峠池に水をもたらしてきた。現在は別の導水トンネル(中の峠隧道)ができたため,この用水路は30 年以上前に放棄されている。本研究では,現地調査によって用水路の構造のマッピングを行い,さらに古文書の解読によって造築の経緯の一端を明らかにした。本研究は,郷土の発展の痕跡である歴史的な文化財を後世に伝えるだけでなく,今後増加すると考えられる放棄用水路のマッピングの先駆的な事例として意義があると考えられる。
内容記述
本稿の内容の一部は,2018年度地理科学学会春季学術大会(2018年6月2日,於広島大学大学院文学研究科)にて口頭発表を行った。
キーワード
新田開発
西条盆地
用水路
江戸時代
new reclamation work
Saijo Basin
irrigation channel
Edo Period
権利情報
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