広島大学総合博物館研究報告 11号
2019-12-25 発行

広島湾におけるクロダイ稚魚の出現状況と年変動

Horizontal distribution and annual fluctuations in abundance of settled juveniles of the black sea bream Acanthopagrus schlegelii in Hiroshima Bay, Japan
河合 賢太郎
藤田 大樹
海野 徹也 大学院統合生命科学研究科 広大研究者総覧
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抄録
広島湾においてクロダイ稚魚の着底・成育に適した環境条件を把握する目的で,同湾沿岸の稚魚の生息密度を明らかにした。稚魚は2006–2009年6–7月に広島湾内18定点で採集した(n=2,488)。さらに,調査定点のうち最も高い稚魚密度(35.83 inds./100m2)を観測した能美島鹿田において,2013–2016年の7–9月にかけて稚魚を採集し(n=1,588),密度の年変動を観察した。その結果,広島湾の全平均密度は3.78 inds./100m2となり,密度の高い4定点はいずれも厳島,能美島西岸であった。密度が高い定点の特徴として,潮流が物理的に遮られた静穏域の砂浜帯で,淡水流入があることが挙げられた。密度には年変動があり,近年は減少傾向にあることが判明した。広島湾クロダイの資源加入量が低下している可能性が示唆された。
キーワード
クロダイ
砂浜海岸
稚魚
広島湾
black sea bream
Hiroshima Bay
juvenile
sandy beach
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