生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 56巻
2017-12-15 発行

A revised and updated checklist of the parasites of eels (Anguilla spp.) (Anguilliformes: Anguillidae) in Japan (1915-2017)

日本産ウナギ類の寄生虫目録:追補改定版(1915-2017年)
Nagasawa, Kazuya 大学院生物圏科学研究科
Katahira, Hirotaka
本文ファイル
抄録
1915-2017年の103年間に出版された文献に基づき,日本産ウナギ属魚類3種(ニホンウナギ Anguilla japonica,オオウナギ Anguilla marmorata,ヨーロッパウナギ Anguilla anguilla)と日本に輸入されたAnguilla australis の寄生虫に関する情報を2つのリスト(寄生虫-宿主リスト,宿主-寄生虫リスト)に整理して目録を作成した。宿主のニホンウナギとオオウナギは在来種であり,ヨーロッパウナギはシラスウナギとして輸入され養殖された個体,Anguilla australis はオーストラリアから輸入された個体である。本目録は2007年に出版した同名目録の追補改定版である。本目録には,54名義種の寄生虫(繊毛虫類6種,微胞子虫類1種,ミクソゾア類6種,吸虫類12種,単生類8種,条虫類3種,線虫類7種,鉤頭虫類6種,ヒル類3種,二枚貝類1種,カイアシ類1種)に加えて,学名がまだ決定していない寄生虫の情報が含まれる。寄生虫-宿主リストでは,各寄生虫は高位分類群ごとに配列され,最新の学名,シノニム,寄生部位,地理的分布および報告者の情報が示されている。上記54名義種のうち,ニホンウナギから50種,オオウナギから6種,ヨーロッパウナギから9種,Anguilla australis から1種の寄生虫が報告されていた。単生類のGyrodactylus anguillae,Gyrodactylus nipponensisおよびPseudodactylorgyrus mundayi,条虫類のBothriocephalus claviceps,線虫類のRaphidascaris acus は海外から持ち込まれたと推察されており,残りの49名義種が日本にもともと分布するものである。ニホンウナギから報告された寄生虫のうち,9名義種(Lecithochrium musculus, Proctotrematoides pisodontophidis, Tubulovesicula anguillae[ 吸虫類], Gyrodactylus nipponensis, Pseudodactylogyrus kamegaii[ 単生類], Nybelinia angullicola[ 条虫類], Cucullanus filiformis, Heliconema anguillae[ 線虫類], Limnotrachelobdella okae[ ヒル類])は海産または汽水産であり,海ウナギや河口ウナギとして知られる個体がそれら寄生虫の宿主になっていると考えられる。
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