生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 56巻
2017-12-15 発行

大島新曽根で採集されたトヨシオマリヒトデ Podosphaeraster toyoshiomaruae の行動観察

An observation of the walking behavior of Podosphaeraster toyoshiomaruae collected from the bank Oshima-shinsone, Kagoshima Prefecture, Japan
米谷 まり
飯田 健
藤 太稀
平野 勝士
近藤 裕介
大塚 攻 大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター 広大研究者総覧
中口 和光 附属練習船豊潮丸 広大研究者総覧
山口 修平 附属練習船豊潮丸 広大研究者総覧
加藤 幹雄
広瀬 雅人
藤田 敏彦
本文ファイル
抄録
トヨシオマリヒトデPodosphaeraster toyoshiomaruae Fujita and Rowe, 2002は体がほぼ球形で,腕が発達しないという特殊な形態を持つ小型ヒトデ類である。鹿児島県奄美大島北西部に位置する大島新曽根水深100-200 m 程度の堆に生息している。この堆はROV で観察するとカイメン類,八放サンゴ類などで覆われている。2017年5月21日に本種の生きた個体が大島新曽根で採集され,管足を伸ばした状態や歩行が観察されたのでその行動を記載した。管足を体内にしまった状態とは異なり,体がやや口・肛門軸方向に扁平になり,約1.65 cm/min の速度で歩行した。通常の腕の発達したヒトデ類の歩行速度と比較すると相対的に著しく遅い。管足には少なくとも2種類が認められ,歩行用と感覚用と考えられる。
内容記述
本研究の一部は日本学術振興会科学研究費(基盤研究C,No.16K07825,代表 大塚攻),国立科学博物館総合研究「黒潮に注目した地史・生物史・人類史」によって行われた。
キーワード
ROV
大島新曽根
管足
トヨシオマリヒトデ
歩行
locomotion
Oshima-shinsone
Podosphaeraster toyoshiomaruae
ROV
tube foot