1891–2016年に日本で出版された報文に基づき,日本のコイ科魚類に寄生する単生類のフタゴムシEudiplozoon nipponicum (Goto, 1891) と「Diplozoon sp.」と報告されてきた未同定種に関する知見を纏めた。フタゴムシに関しては,本種の命名者である五島淸太郎による記載,成虫の形態,宿主,国内分布,生活史,成熟・産卵の季節変化,宿主サイズと寄生状況との関係,病害性と対策,水産業との関係などを記述した。また,「Diplozoon sp.」と報告されてきた未同定種の多くはウグイフタゴムシParadilpozoon skrjabini Akhmerov, 1974 に同定できる可能性を示唆した。亀谷 了博士によるフタゴムシ類の研究業績を付録として示した。