生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 54巻
2015-12-25 発行

瀬戸内海産ミズクラゲのポリプクローン系統の確立と特徴

Characterization of Clonal Polyp Strains Established from Aurelia sp. Inhabiting the Seto Inland Sea of Japan
辻田 菜摘
黒田 理絵
奥村 衣澄
吉岡 沙弥香
中谷 みなみ
小山 寬喜
本文ファイル
抄録
ミズクラゲ(Aurelia sp.)の生活環の中で,ポリプからストロビラを経てエフィラに形態変化する過程はストロビレーションと呼ばれる。ストロビレーションの分子機構の解明に向けて分子生物学的および生化学的研究を進めるために,瀬戸内海産のミズクラゲからポリプのクローン系統を7株確立した。実験室内でストロビレーションを誘導する条件を検討した結果,これらのクローン系統は,25℃から10℃への低温処理によって32- 42日でストロビレーションを開始し,indomethacin (25μM)の投与によって25℃条件下で4-8日でストロビレーションを開始した。また,短期間だけ低温処理をおこなう飼育実験の結果,ストロビレーションは一旦開始すると低温条件下でなくても正常に進行し完了することが明らかになった。さらに,分子系統解析の結果,今回確立したクローン系統がAurelia sp.1(Dawson et al., 2005)であることが示唆された。
内容記述
本研究は,平成20年度広島大学後援会・教育研究一般助成および平成20年度広島大学大学院生物圏科学研究科・研究科長裁量経費研究助成の支援のもとで実施されたものである。
キーワード
クローン系統
ストロビレーション
瀬戸内海
分子系統解析
ポリプ
ミズクラゲ
Aurelia sp.
clonal strain
molecular phylogenetic analysis
polyp
strobilation
the Seto Inland Sea