生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 54巻
2015-12-25 発行

Studies on ecology of marine chironomids in southwestern Japan

西南日本における海産ユスリカの生態に関する研究
Sugimaru, Katsuo
本文ファイル
抄録
西南日本において海産ユスリカの生態に関わる研究を行った。その結果,計20種が採集され,垂直分布では,潮間帯上部あるいは中部域のみに分布する種は少なかったが,下部域のみに分布する種は多かった。基質については岩石面や泥中のみに棲む種は少なかったのに対し,海藻類のみに棲む種は多かった。また,地理的分布では南西諸島や本土外洋沿岸域のみに分布する種は少なかった。一方,数種は,瀬戸内海沿岸と本土外洋沿岸域,本土外洋沿岸域と南西諸島,あるいは全地域に分布することが分かった。また,羽化時期については,Dicrotendipes enteromorphaeは夏季・秋季のみ,S. endocladiaeは周年出現し,他種は秋季・冬季のみあるいは冬季・春季のみに出現した。これらのことから,潮間帯には様々な生活様式を持つ多くの種のユスリカが棲息し,生態系において重要な役割を果たしていることが示唆された。
キーワード
sessile organisms
chironomid
distribution
intertidal zone
seaweed
海藻
潮間帯
付着生物
分布
ユスリカ