2007年6月から2008年12月までの日本近海におけるマンボウ属2種( Mola spp. A and B)の調査の中で(全145個体),胸鰭変形7個体,背鰭短縮2個体,背鰭軟条配置異常1個体,舵鰭臀部側欠損1個体,舵鰭欠損1個体,人為的な損傷3個体,精巣肥大2個体,幼形形態1個体を得た。これら異常がみられた18個体の内訳には先天的な奇形,捕食生物による損傷,人為的な損傷,寄生虫による変形などがあり,また長期間飼育された個体(1個体)は天然水域の個体と体形が異なる可能性が示唆された。人為的な損傷がみられた3個体と長期飼育された1個体を除く,天然水域で採集された異常個体(14個体)は採集された全体の約1割(14/145)で,ある程度は天然水域にも存在するものと推測された。