生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 47巻
2008-12-20 発行

海産付着珪藻Nitzschia sp.の増殖に対する酸化マグネシウム混合ポリエチレン被覆鋼線の影響

Effects of magnesium oxide-added polyethylene-coated steel wire on the growth of attached marine diatom Nitzschia sp.
原口 浩一
本文ファイル
抄録
カキ養殖筏には多くの生物が付着し,中でもろ過摂食者は餌の摂取という点でカキと競合関係にあるため,カキの成長を阻害する要因の1つである。そこで,この研究では,カキ養殖に使われる針金について,生物付着の少ない素材を開発することを目的とし,従来の亜鉛メッキ鋼線に加え,アイオノマー・レジン(ポリエチレン)被覆鋼線,酸化マグネシウム(HUSR)混合ポリエチレン被膜鋼線(HUS混合率3%および5%)を用い,沿岸域に一般的な付着珪藻種Nitzschia sp.の増殖に対する影響を実験的に測定した。その結果,(1)ポリエチレン自体はNitzschia sp.の増殖を阻害しないが,亜鉛メッキ鋼線およびHUS混合ポリエチレン被覆鋼線はNitzschia sp.の増殖を阻害する,また(2)HUSR混合ポリエチレン被膜鋼線では,HUS混合率が高いほどNitzschia sp.の増殖阻害程度は強い,ということが明らかとなった。
内容記述
この研究は,トワロン株式会社による寄付金「HUSによる藻の発生変化の研究」により行われたものである。
キーワード
カキ
鋼線
珪藻
ポリエチレン
HUS
diatom
oyster
polyethylene
steel wire