Hiroshima Studies in Language and Language Education Issue 20
2017-03-01 発行

Can Japanese Students of English Significantly Improve /l/ Pronunciation?

英語を学ぶ日本人学生は音素 /l/ の発音を簡単に取得できるか?
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日本人学生の英語会話学習において最も厄介な問題のひとつは音素 /l/ の発音習得であろう。本研究ではこの言語学的現象の詳細な記述を試みる。4つの会話クラスのあわせて100人あまりの大学1年生に対し,3ヶ月以上の期間にわたり,事前テスト,中間テスト,事後テストにおけるパートナー作業での発話を録音した。また,音素 /l/ の発音において頻繁に起こる誤りとその言語学的な出現環境の一覧を表の形でまとめた。

本研究により判明したのは,音素 /l/ の全出現環境における全発音の10.9%だけが容認できない,あるいは母語話者のようではないと判断されたことである。学生たちは,中間テストや事後テストに比較して事前テストにおいて明らかにより多くの誤りを犯している。しかし,日本語でもカタカナ表記で使われる「ポリシー」と「コンプレックス」という2語を事前テストの表から削除すると,統計的には授業期間中における学生の進歩は見られない。最後の興味深い発見は,音素 /l/ は母音の間(例:Hello)や子音連鎖の中に(例:play)現れる時,発音するのが最も難しいということである。授業を行う教員のための,本研究から得られた教育上の示唆についても記述した。
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