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ID 36546
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カナダにおける教員団体の現状と課題 <研究ノート>
creator
Yoshinaga, Keiichiro
NDC
Education
abstract
大学における管理運営部門の強化に伴い,教員自治の確保・教員の権利擁護は大きな課題である。日本の大学においては,これまで,同僚性の原則に基づく学部自治が同時に,教員の権利を守ってきた側面が強い。しかしながら,現在,日本の大学が参考にしようとしているアメリカの大学は,教育研究集団としての学科自治が尊重され,教員が大学運営に参画するための評議会も整備されている一方,教員個人の権利を擁護するための制度は十分ではない。 

そのため,本稿では,大学における教員の権利を擁護するための仕組みを,カナダの大学を事例に検討する。カナダの大学は,ヨーロッパの大学とアメリカの大学の中間に位置するものであり,社会民主主義の伝統,労働者組合に寛容な風土を色濃く反映している。カナダの大学における教員団体(Faculty Associations)は,1920年代に教員懇談会として発足していたが,活動を活発化したのは1970年代であり,90年代に多くが組合化を果たした。現在では,正規雇用の教員を対象にして,教員個人の採用や昇進に対する不満への法的支援の他,大学運営や規定改正に対する助言,州政府に対するロビー活動などその活動範囲は広い。  

本稿においては,インタビュー調査に基づき,カナダの教員団体が,大学運営集団と友好的な関係を築いて,同僚性に基づいた大学運営の伝統を継承している一方,他方で,労働者としての教員の権利保護の観点から,積極的に人事に介入し,時には,大学運営集団と対決的な姿勢によって,評議会の影響力を上回っていることを議論する。ただし,近年,教員の教員団体に対する関心が低下していること,業績給によって教員が階層化されようとしていること,大学運営の高度化により教員の大学運営への参画の余地が少なくなっていること,教員団体に非正規雇用の教員が含まれていないこと,州政府による大学運営への干渉の度合いが高まっていることなどは,大学における管理運営の強化・教員間の連帯感の希薄化・教員集団と大学運営集団の分化・正規教員の既得権益保持・州政府と大学との関係に関連し,今後の教員団体の様相を変えて行く可能性がある。
journal title
Daigaku ronshu: Research in higher education
issue
Issue 45
start page
159
end page
173
date of issued
2014-03
publisher
広島大学高等教育研究開発センター
issn
0302-0142
ncid
language
jpn
nii type
Departmental Bulletin Paper
HU type
Departmental Bulletin Papers
DCMI type
text
format
application/pdf
text version
publisher
rights
Copyright (c) 2014 Author
department
Research Institute for Higher Education
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