陸上産卵魚ヨダレカケの生活史戦略に関する研究
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File |
diss_ko3834.pdf
17 MB
種類 :
fulltext
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Title ( jpn ) |
陸上産卵魚ヨダレカケの生活史戦略に関する研究
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Title ( eng ) |
Life cycle of the terrestrial spawning fish, Andamaia tetradactyla (Pisces; Blenniidae).
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Creator | |
Abstract |
イソギンポ科魚類の1種ヨダレカケAndamia tetradactylaは波に洗われる岩礁性海岸の潮間帯から潮上帯に生息する魚である。本種は潮間帯の水面上の岩に付着した藻類をはみながら干満により移動し、ときには水面上をとびはねて移動するなど特異な生態を有した。本研究は両生魚類(Air-breathing fish)、ヨダレカケの生活史戦略を長期的な野外観察と水槽実験により行動生態学的観点から明らかにすることを目的として行った。
本種は潮上帯という陸域と水圏の狭間において、水面移動やジャンプ、波への反転行動、ローリング行動など巧みな行動を持っていた。また、その採餌行動は、群れを形成して日中に絶えず行われ、他魚類との競合の少ない砕波帯の藻類を独占的に採餌していることが明らかになった。 本種の産卵が行われる巣穴は、最満潮線前後の潮上帯に位置する岩穴や岩の隙間に存在し、その繁殖行動のピークは、巣穴が水没するような満潮時ではなく、巣穴に適度に波が到達するような満潮前後の時間帯であった。そして、その産卵は、高い湿度下で十分に行われ、高い受精率を示し、雄親により約半日もの間、干上がる巣穴で陸生生物から卵保護が行われた。このような産卵行動と、卵保護行動は魚類においては極めて稀であり、高い湿度を保持できるような巣穴の構造がこのような戦術の成功を左右する重要な要因であると考えられた。卵は空気中で発生を続け7-10日で解化したが、その醇化は、潮汐に依存せず、また水への浸潰だけでは解化せず、波の衝撃のような機械的な振動を引き金として醇化が誘引されることが示唆された。孵化仔魚は約43日の海面浮遊期間を経た後に、再び上陸し、まもなく親と同様に採餌行動を行った。本種の卵には、陸上環境に適応した7層構造の厚い卵膜と波に流されないような強力な付着装置が見られ、潮上帯という過酷な環境条件に、実にうまく適応を行っていた。 このような極めて特殊な生活史を有する本種において、その陸上進出をもたらした生態的な利益は、水生捕食者からの回避と他者の利用できない餌資源の独占が本種の親と子にとって大きな利益があると結論した。 |
NDC |
Zoology [ 480 ]
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Language |
jpn
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Resource Type | doctoral thesis |
Rights |
Copyright(c) by Author
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Access Rights | open access |
Dissertation Number | 甲第3834号 |
Degree Name | |
Date of Granted | 2006-03-06 |
Degree Grantors |
広島大学
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