広島大学マネジメント研究 Issue 2
published_at 2002-03-20

介護保険制度の現状分析と改善策の提言 : 広島県における施設サービスの実態をふまえて <平成13年度(2002年3月)修士論文要旨>

中原 好冶
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KJ00000053561.pdf
Abstract
本論文は, 「こんなに経済的に豊かな日本で, どうして「終わり良ければすべて良し」という福祉が実現できないのであろうか」という問題意識からスタートしている。自ら祖母の介護を通じてみた在宅介護・家族介護・特別養護老人ホームで暮す人達・老人病院の現状は今の日本がこの分野において, 決して豊かになっていないということを示していた。むしろ私たちは, 人生のまさに最終局面で大きな不安を抱えている, というのが現実ではなかろうか。このような中で, 2000(平成12年)年4月から高齢者福祉の分野で介護保険制度が導入された。この制度は果たして日本の高齢者福祉をもっと充実させ, 本当に人生の幸せを実感できる老後を保障できるのであろうか。我が国の高齢者福祉政策は, 家族介護を中心とした日本型福祉社会論と, 1980年代半ば以降の福祉費抑制政策によって特徴づけられる。介護保険制度もその延長線上にあると考えられ, そのことは広島県におけるサービス需給の状況や, 将来計画である「ひろしま高齢者プラン2000」を見てもわかる。また, 保険者である広島市の介護保険財政の状況も, 公費負担という観点から見ると43億円の減である。実際に広島県の施設サービスの現状分析を, 老人福祉施設指導台帳・老人保健施設台帳をもとに行っていった。特別養護老人ホームでは, 職員一人当たりの入所者数で2.5倍, おむつ交換の回数で6倍, 食費で2倍, 職員給与で3倍の格差がみられた。また老人保健施設においては, 職員一人当たりの入所者数で3倍, おむつ利用者の割合で14倍, 食費で1.6倍の格差がみられ, 1年以上の入所者数や家庭への退所率においても施設ごとに大きな格差がみられた。本来はこうし
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広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻平成13年度(2002年3月)修士論文要旨