学習システム研究 6号
2017-03-31 発行

高等学校化学における教材開発の視点導出に関する基礎的研究 : 「単体・化合物・混合物」の単元を例にして

Basic research on deriving perspectives on teaching materials development in senior high school chemistry : case study of an unit on “elements, compounds and mixtures”
植田 悠未
木下 博義 大学院教育学研究科 広大研究者総覧
本文ファイル
抄録
 本研究は,各研究領域において,研究者の論文の読解を教材研究の一環として,自然科学の特定の研究領域における専門研究論文の読解を行い,論文の読解から研究者の「真正な学び」を見出し,研究者の学習過程を学習者の「真正な実践」へと変換するための教材開発研究の過程を究明することを目的としている。そのために, Thermochimica Acta 誌に掲載されたKoga et al. (1998)論文を読解し,研究者の「真正な学び」を見出し,そこから導出した教材開発のための視点に基づき,研究者の学習過程を学習者の「真正な実践」へと変換するための指導過程を構想することを試みた。その結果,研究者の「真正な学び」として,①熱力学的・動力学的な理論によって非晶質炭酸カルシウムの結晶化の基礎的な情報が明らかにされていること,②今までの多くの研究を参照した知識から導き出された仮説や方法が前提となっていること,③複数の実験結果を主張の根拠としていることの3 点が明らかとなった。これらの研究者の「真正な学び」を,理科教師が行う教材研究の文脈で重要となる,学習者の「学び」の過程に置き換えた場合,(a)今までの学習内容を整理し,生徒なりの仮説(実験方法・結果の予想を含む)を設定させること,(b)考察の際にいくつの妥当な根拠を用いることができたかを評価することという2 つの視点を導出した。
キーワード
真正な実践
論文読解
高等学校化学
「学び」の過程
教材研究
Authentic Practice
Reading Academic Papers
Senior High School Chemistry
“Learning” Process
Teaching Materials Research
権利情報
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