学習システム研究 6号
2017-03-31 発行

古典教材研究のための論文読解 : 古典文学研究者の〈学び〉を学習者の〈学び〉に変換する

Reading of papers for classics teaching materials research : Translating the “learning” of classical literature researchers into student “learning”
井浪 真吾
竹村 信治 大学院教育学研究科 広大研究者総覧
本文ファイル
抄録
 本研究は,古典文学研究者の論文の読解を通じて,学習者の「深い学び」に向けた教材研究のあり方を探究したものである。まず,学習者の〈学び〉について,次期学習指導要領で要請されているアクティブ・ラーニングを取り上げ,それをminds on の「深い学び」とするためには質のよい思考を引き出す“真正の「問い」”が必要である。それにもかかわらず現在の古典学習はhands on の活動主義に陥り,しかも古文教材の表層が辿られるだけ「考える」場面が用意されず,学習者の「深い学び」が成立していない状況について確認した。次に,竹村(1991)「宇治拾遺物語論-表現性とその位相-」を取り上げ,この専門科学〈研究〉者論文では,テキストへの“真正の「問い」”が先行研究のメタ的概観から選別,抽出され,その回答へのアプローチにおいて「深い学び」へと活用しうる視点と方法が開拓されていることを指摘した。こうした研究者の「真正な学び」を教材研究に活用することで,学習者の「深い学び」を構想する授業に必須の“真正の「問い」”の発掘も可能となる。本稿ではそうした竹村(1991)の有効性を検証し,あわせて汎用性を確認するために別テキスト教材(『徒然草』)の教材分析を試みた。
キーワード
古典学習
教材研究
深い学び
真正の「問い」
Study of Classics
Teaching Materials Research
Deep Learning
Authentic “Inquiry”