学習システム研究 4号
2016-03-31 発行

英語教師の教材研究力を育成する真正性研究の視座 : 中学校英語教科書の改作過程の分析を通して

A Viewpoint of Authenticity to Enhance Teacher’s Abilities in Studying Teaching Materials : Through an Analysis of the Adaptation Process of a Junior High School English Textbook
渡邉 勝仁
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抄録
本研究は,英語教育における教材の真正性(authenticity)のあり方について検討することにより,教師の教材研究力を涵養するための視座を明らかにすることを目的とする。第二言語習得研究において,できるだけ自然かつ多量の理解可能な目標言語入力にふれることは,必須の条件のひとつとされている。最新のICTや多様な教材ソフトウエアの開発により,学習者が自然な英語に接する機会は質量ともに格段に向上してきた。しかしながら,教材はできるだけ自然なものでなければならないとする主張に対して,自然な教材の教育的効果を疑問視する主張もあるなど,教材の自然さの有用性については今なお多くの議論がある。さらに,いったい何をもって自然さを定義するかも定まっていない。そこで本論では,英語教育における教師のための真正性の視座について,これまでのさまざまな研究者による定義を概観・整理するとともに,教科書教材の真正性に大きな影響を与えると考えられる教材改作(materials adaptation)過程について検討を行う。教材の真正性に関する理論的考察に加え,テキスト原素材から教科書題材に変化する過程の分析を通して,日本のような外国語としての英語教育環境で必要となる真正性の視座を新たに構築することをねらいとする。
キーワード
真正性
英語教科書
教材改作
Authenticity
English Textbook
Materials Adaptation
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