学習システム研究 3号
2016-03-31 発行

生活科教科観の吟味・再構築を図る教員研修プログラムの開発 : 「生活科らしさ」の分析と議論

Development of a Professional Development Program to Promote the Reconfiguration and Exploration of Life Environment Studies as a View of the Subject : Analysis and Discussion of the “Essence” of Life Environment Studies
渡邉 巧
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抄録
本稿では,生活科を担当する教員の研修プログラムについて,その具体を含めて提案する。

研修プログラムの開発方針は,以下の通りである。研修目標は,異なる実践や意見の存在を把握させ,教師自身の省察を促すとともに,生活科教科観の吟味・再構築を図ることである。そのために,以下の3点に留意して研修内容を設定する。1点目は,教師自身の実践や意見,さらには,彼ら(彼女ら)が開発したプラン等を取り扱う。2点目は,生活科教育学における研究成果(学術論文など)を取り扱う。3点目は,優れた単元事例や実践映像を取り扱う。なお,単元事例に関しては,「自立の基礎を養う」という生活科における共通理念の下,異なる単元構成を持つものを複数設定する。研修は,単元事例や授業映像などの分析・議論を中心におこなう。

以上を踏まえて,実際に生活科教員研修プログラムを開発する。あくまでモデルであり,参加者のニーズやスケジュールに応じて,時間配分や内容を,追加・省略していく必要がある。研修プログラムの批判可能性を高めるために,社会科授業の開発研究で用いられる教授書の形式で作成する。

研修の展開は,次の通りである。導入部は,研修の目標を把握させた上で,「生活科を教える意味」,「生活科と関連科目・領域(幼児教育,総合的な学習,理科,社会科)との関係または違い」について検討する。展開部1は,「カリキュラム(生活科の年間計画・単元計画・授業計画)の事例分析→プラン開発→発表・議論」を通して,カリキュラムにおける他の選択肢の存在を把握する。展開部2は,「指導事例(授業映像)の分析→指導(模擬授業)の実施→実施(録画)した指導の発表・議論」を通して,指導における他の選択肢の存在を把握する。終結部は,研修の総括をする。また,研修自体に対する評価をおこなわせる。

本プログラムは,一連の研修を通して,「生活科らしさ(=本質)」を分析・議論していくものとなっている。このような教科教育学的な研修が,生活科教育においても求められるのではないか。
キーワード
生活科
教科観
単元
教員研修
教科教育
Life Environment Studies
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