学習システム研究 2号
2015-03-31 発行

慣用的英語表現の通時的意味変化の研究論文に見る教育的意義 : Akiyuki Jimura “Some Notes on Idiomatic Expressions in the History of English: With Special Reference to ‘meat and drink’”

守長 和人
本文ファイル
抄録
本稿は文学研究の手法・過程に教育的意義を見出すためメタ分析を行うものである。分析対象は Jimura (2014) の研究論文 “Some Notes on Idiomatic Expressions in the History of English: With Special Reference to ‘meat and drink’” と論文執筆者本人とのインタビューである。本稿では,研究論文を章ごとに区分したうえで,論文の構成(章順)と構造(各章の命題間のつながり)を分析した。分析の結果として,論文内では ‘meat and drink’ という表現が字義的意味から隠喩的意味へと変化する過程が記述されており,具体的には,様々な文学作品における言語使用を通時的に提示・分類されていることが明らかとなった。Jimura (2014) の研究論文は,語意の変遷を例とともに実証するという目的で書かれたものであり,元来教育的意義を示唆するためのものではないという前提はある。しかしながら,本稿は,その研究の手法・過程に潜む研究ロジックと教育的意義との関係性を見出すことを志向している。そのため,構成と構造の分析の後,論文執筆者本人とのインタビューをもち,研究ロジック及びその意図を探った。その後,研究ロジックや最終的なプロダクトである研究論文に行き着くまでの思考・作成過程を,研究者の一学習として読み替え,その学習が一般的な英語学習者に還元できるかを考察した。結果として,本分析における研究者の学習は,一般的な英語学習のうちとりわけ語彙(語意)学習に関連し得ることが明らかになった。この語彙学習は,学校教育における英語語彙学習の動機付けと多義語学習への意識付けに寄与できると考えられる。
キーワード
意味変化
イディオム化
英語語彙学習
Semantic Transformation
Idiomatisation
English Vocabulary Learning