学習システム研究 2号
2015-03-31 発行

日本語教育分野における近・現代日本文学のあり方 : 西原大輔「世界の中の近・現代日本文学」をもとに

Modern and Contemporary Japanese Literature in the Field of Japanese Language Education : Daisuke Nishihara’s “Sekai no naka no kin, gendai nihon bungaku”
柳本 大地
本文ファイル
抄録
日本語教育分野において,日本文学はどのように取り入れられるべきか。また,教師はどのように日本文学を教授すべきだろうか。これらの問題に対して,本研究では,西原大輔氏が執筆した「世界の中の近・現代日本文学」の論文の構成と構造を分析し,関連分野の基礎的理論の読解と専門学者とのインタビューを通して論文作成経緯を導きだし,日本語教育分野での日本文学のあり方について検討した。

西原(2006b)は,海外における日本文学研究の歴史をたどりながら,影響を与えて来た人物と作品について紹介し,文学という概念がどのようにして導入されたのか,また西洋文学からの影響について整理している。そして,日本文学の読解が日本語教育の到達点とすることを提案している。西原(2006b)は,比較文学の3つの立場により作成されている。すなわち,(1)西洋中心主義的な考えに批判すること,(2)国粋主義を批判すること,(3)左翼的な世界観を批判することの3点である。これらの比較文学の観点から日本語教育を再考し,日本語教育における文学の学びの過程を提案した。文学を国際的な視野で捉え直すこと,文学を文化と結びつけ学習者自身の解釈によって,より深い異文化理解を得る機会とすること,また文学作品に使用される教養のある日本語を身につけること,である。
キーワード
日本語教育
日本文学
比較文学
日本語学習者
教養のある日本語
Japanese Language Education
Japanese Literature
Comparative Literature
Japanese Language Learners
Cultured Japanese