平安時代の平仮名文の表記様式[I] : 語の漢字表記を主として

国語学 44 号 52-68 頁 1961-03-30 発行
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タイトル ( jpn )
平安時代の平仮名文の表記様式[I] : 語の漢字表記を主として
タイトル ( eng )
The Transcription System Used in the Hiragana Texts of the Heian Period, Specially for the Transcription of Chinese Characters (Part 1).
作成者
小林 芳規
収録物名
国語学
44
開始ページ 52
終了ページ 68
抄録
1 平安時代の平仮名文は漢字を交える様式が一般的で根幹をなす。その漢字は拗音・舌内入声音・三内撥音等の特定の字音語の表記である。
2 右の字音語の漢字表記は平仮名でその音を表記する習慣が定まっていなかったためであろう。同時代の訓点資料でも右の字音語の表記が固定していないことが傍証となる。
3 平仮名で加点た訓点資料で、右種の字音語は片仮名か漢字で表記した事実がある。これは(1)(2)を別の面から裏付け、かつ平校名と片仮名とは等価値でないことをここでも物語る。
4 後半期以後は、形式語、頻出しかつ草体として画数の少ない和語の漢字表記も加わった。
5 その理由は、平仮名二字・三字等を少画の漢字一字で書くという経済的な面にあったと推測される。
6 平仮名専用文は、字音語を含まない和歌の表記に見られたが、主に(4)のごとき和語の漢字表記が始まる以前の限られた時期の用であったろう。
7 平仮名文が変体漢文中に挿入されたり、片仮名交り文中に平仮名が用いられて、相互影響もあったらしい。
8 今後の課題--(イ) 平安時代の年代明記の資料をより広く漁る要。(ロ) 鎌倉時代以降の平仮名文の実態調査。(ハ) 平安時代成立作品の古写本・古筆切の表記の検討。(ニ) 漢字音語の国語化の過程。(ホ) 類音表記の考察等。
内容記述
一、はしがき
二、土左日記貫之自筆本の漢字の検討
三、承平頃の平仮名文に存する漢字
四、平安後半期の平仮名文中に見る、字音語の漢字表記
NDC分類
日本語 [ 810 ]
言語
日本語
資源タイプ 学術雑誌論文
出版者
国語学会
武蔵野書院
発行日 1961-03-30
出版タイプ Version of Record(出版社版。早期公開を含む)
アクセス権 オープンアクセス
収録物識別子
[ISSN] 0491-3337
[NCID] AN00087800